相続登記(相続による不動産の名義変更)

相続登記(不動産の名義変更)とは何か,必要書類は?費用はいくら?司法書士の手数料は?などを分かりやすく説明します。

①相続登記とは
②相続登記の必要性(相続登記を放置した場合のリスク)
③必要書類(法定相続)
④相続登記の費用はいくら?
⑤ご依頼までの流れはこちら

相続登記とは

相続登記とは,不動産の登記名義人が亡くなった場合,その相続人に登記名義を変える手続きです。
市町村に固定資産税の「相続人代表者」の届け出をすると,翌年から相続人宛てに固定資産税の納付通知が来るので,それで相続手続きが済んだと思い込んでいる人が少なからずいらっしゃいます。しかし,市町村に届出をしても,税務署に相続税を納付しても,登記名義は変わっていません。登記名義を変えるには,その不動産を管轄する法務局に登記を申請する必要があります。

相続登記の必要性

相続登記が医務化されます

相続登記は,現在は義務ではありませんが,令和6年4月1日から相続登記が罰則(10万円以下の過料)付きで義務化されました。詳しくはこちら▶
これは,費用や手数を敬遠して相続登記を放置する場合が多く,その結果,所有者不明不動産が増えてしまい,社会問題化したために法改正がなされたものです。
相続登記をしないでいると,
相続人に高齢者がいる場合などは次々と相続が開始して,相続人が増えてしまいます。その結果,会ったこともない人(相続人の相続人のそのまた相続人など)から相続権を主張されて,最初の相続人が自分の名義にできなくなるということがあります。実際,我々司法書士は,そんな事例を少なからず見ており,決して珍しいことではありません。

費用負担や手数がかかることを敬遠して相続登記を放置すると,将来,その何倍もの費用負担と手数を強いられることとなります。長くしていなかった相続登記は案外と時間がかかります。今のうちに相続登記することをお勧めします。

相続登記はどこにする?

相続登記は,相続人(通常は,その代理人の司法書士)が,その不動産所在地を管轄する法務局に登記申請書を提出して行います。
登記申請書は,直接法務局の窓口に提出する方法,申請書を法務局に郵送する方法,そしてインターネットで法務局に申請書データを送信する方法があります。
登記申請書の基本的書式は法務局のホームページにあり,誰でもダウンロードして使用することができます。

【法務局HP】不動産の所有者が亡くなった:法務局 (moj.go.jp) 

【法務局管轄】管轄のご案内:法務局 (moj.go.jp)

相続登記の必要書類

相続登記の必要書類

相続登記に必要な書類は,それがどのような相続なのかによって違いますが,以下,最も単純な法定相続の場合を説明します。なお,被相続人(亡くなった登記名義人)はA,相続人は子のBCとします。

相続登記に必要な書面は,法務局に対し何を証明すべきかという点から見ればわかりやすいです。
相続登記は,
①登記名義人が死亡したこと(住民票除票)
②その名義人の相続人が誰なのか(戸籍謄本)
を法務局に対して証明します。
死亡後のAの住民票除票には,Aの氏名,生年月日,最後の住所,本籍(本籍地入りの住民票を請求する)死亡年月日が記載されています。

法務局は,住所氏名が一致すれば同一人と見ますから,住民票のA=登記上のA⇒住民票のA死亡=登記上のA死亡ということになります。
そして,住民票に記載された本籍・氏名,生年月日が戸籍の本籍・氏名,生年月日と同じであれば,住民票のAと戸籍のAは同一人であることになり,その戸籍をたどってBCが子であること,つまり登記上のAの相続人であることが分かります。

このように,住民票や戸籍で,登記名義人のAが死亡⇒その相続人がBCであることを証明して,BCの名義に相続登記をします。

相続登記の費用

相続登記の費用は概ね次のとおりです。
(1)登録免許税:市町村の固定資産税評価額×4/1000

※評価額1,000万円なら4万円。登記申請と同時に国に納付します(先払い)。
(2)戸籍収集費用:親子の相続で6
,000円~8,000円程度

(3)諸雑費(事前調査や完了後の謄本など)3,000円程度
以上が税金などの
実費です。実費は司法書士を依頼せずご自分でしても同額です。
司法書士を依頼する場合は,以上の実費に司法書士の報酬(手数料)を加算したものが登記費用の総額です。司法書士の報酬は,各司法書士が自由に定めており,上限も下限もありませんが,平均的には5万円から7万円ぐらいでしょう。

当事務所の報酬

当事務所の報酬(手数料・料金)は,単純な設定となっています。
相続登記は3万円(税別)の定額で,戸籍謄本の収集は8,000円(税別),遺産分割協議書の作成は5,000円です。これに上記の実費を加算したものが,当事務所にご依頼頂いた場合の登記費用です。

 

相続登記費用いくら?

戸籍収集や遺産分割協議書作成のご依頼がない場合のイメージです。